Modash は、ブランドがクリエイターを見つけ、関係を管理し、キャンペーンを実行し、コンテンツをモニタリングし、インフルエンサーのパートナーに支払いを行うのを支えています。中核のプラットフォーム事業と並行して、API を通じたクリエイターデータの販売も手がけています。
事業はグローバルで、収益はほぼすべてが継続収益。顧客は米国とそれ以外の地域でおよそ半々に分かれています。
2018 年に創業した Modash は、創業者の Avery Schrader が 2020 年にサインアップして以来、早い段階から ChartMogul を使ってきました。事業が成長するにつれ、ChartMogul は単なるレポーティングツールから、CFO の Nadim Taoubi と経営陣がプロダクト上の行動を収益に結びつけ、どの施策を追うべきかを判断するためのシステムへと姿を変えていきました。
It’s been extremely reliable. As a CFO, it’s a tool I use on a daily basis.
Stripe の請求データから、全社のレポーティングへ
Nadim は毎日、ChartMogul で上位の指標を確認します。会社がどう成長しているか、その月に新規顧客が何社増えたか、そしてチャーンに何が起きているか。
We don’t really go into Stripe to check the data. We get everything from ChartMogul.
MRR や ARR、全社のチャーン率を追うだけにとどまらない分析は、少なくとも週に一度行われます。Nadim はコホートとセグメンテーションを使って、パフォーマンスが時間とともにどう変わるのか、そして Modash がプロダクトや顧客体験に手を入れたときに、どの顧客グループがどう反応するのかを調べています。
Modash はリテンションを、顧客プロファイル、契約金額、プロダクトのカテゴリー、そしてアクティベーションでセグメントします。業種、ICP との適合、Shopify を使っているか、プラットフォームのうちいくつの領域を利用しているかも、その一部です。
これによって Nadim は、チャーンが変化したという事実を眺めるだけの段階から、どの顧客グループがそれを動かしたのか、その顧客のプロダクト利用はどう違っていたのか、そして Modash に現実的に何ができるのかを特定する段階へ進めます。
サブスクリプションデータに、プロダクトの文脈を加える
Modash は Stripe から顧客を ChartMogul に取り込み、さらに自社バックエンドやほかの商用システムからもデータを寄せています。
すべてが 1 か所にそろうことで、それぞれの顧客レコードは請求書からは分からない情報で豊かになります。どんなタイプの顧客なのか、Modash のどの部分を使っているのか、自社の ICP に合致しているのか、そしてアクティベーションの道のりのどこにいるのか。
この文脈が重要なのは、Modash が単一目的のプロダクトではないからです。同社のプラットフォームは、インフルエンサープログラムのいくつもの段階を支えています。
- クリエイターを見つけ、見極める
- コミュニケーションを取り、関係を管理する
- キャンペーンとクリエイターの活動をモニタリングする
- クリエイターに支払う
それぞれの領域には、独自のアクティベーションポイントがあります。クリエイターを検索するだけの顧客は、アウトリーチも管理し、進行中のキャンペーンをモニタリングし、あるいはクリエイターへの支払いまでプラットフォーム上で行う顧客とは、まったく違う振る舞いをします。
Modash の分析からは、プロダクトのうち少なくとも 2 つの領域を使っている顧客は、契約を続ける可能性が高く、拡張する可能性も高いことが分かりました。
Each of these sub-products has different activation. We know that if we push customers to use two out of the four, they’re more likely to stay and more likely to expand.
「ハッピーチャーン」から、再現できるアクティベーションへ
当初、チャーンは Modash にとって課題でしたが、その理由はいつも顧客の不満だったわけではありません。
プロダクトはもともとクリエイターの発見を軸に作られていました。小規模な EC ブランドが、あるキャンペーンのために 20 人のクリエイターを探すために Modash を使い、探し終えたらもうプロダクトは要らなくなる。顧客は求めていた価値を受け取っており、ユースケース自体に自然な終わりがあったのです。
If you have discovery only and you’re a small shop, it’s most likely that you’ll churn because you don’t need Modash anymore after month three or four. You’re done.
多くの顧客は、次のクリエイター群を探す必要が生じたときに再開してくれました。
発見機能の外へと領域を広げるなかで、Modash はキャンペーンの期間を通じて使える機能を加えていきました。事業は、単発の作業のためのツールから、顧客の日常的なワークフローに組み込まれたプラットフォームへと移り始めたのです。
ChartMogul でプロダクトの利用状況ごとにリテンションをセグメントしたところ、チームは最初の 3 か月が決定的であることを突き止めました。
その期間にプラットフォームの領域を 2 つ以上使い始められなかった顧客は、チャーンする確率が著しく高かったのです。
The first three months are critical. If we don’t manage to get the customer using these two services or products, there’s a risk we’ll lose them within the first three months.
チームはさらに、より強いリテンションと結びついた具体的なマイルストーンも特定しました。プラットフォーム経由でメールを送ることや、最初のキャンペーンを立ち上げることです。アクティベーションをログインや検索の完了として定義するのではなく、Modash は顧客がインフルエンサープログラムをプラットフォーム上で回し始めた時点と結びつけ、キャンペーン管理の深まりが時間とともにリテンションへどう影響するのかを測れるようになりました。
どのリテンション施策が追う価値があるかをモデル化する
より強いリテンションと結びついた行動を見つけるのは、最初の一歩にすぎません。Nadim はさらに、その行動を変えることが事業にとって意味のあるインパクトを生むのかどうかを理解する必要があります。
たとえば Shopify の顧客を考えてみましょう。Modash は、プラットフォーム経由でメールを送った顧客と送っていない顧客のネット MRR チャーンを比較できます。そのうえで Nadim は、より多くの Shopify 顧客がそのアクティベーションのマイルストーンに到達したら何が起こるかをモデル化します。
I’m comparing the Shopify customers who have never sent an email with the ones who have. I take the net churn from ChartMogul and ask: if 100% of them used email, what would be the impact?
これによって Nadim は、興味深いだけの相関と、投資する価値のある施策を切り分けられます。その行動を変えても全社のチャーンが 0.1 ポイントしか下がらないなら、プロダクトやセールス、カスタマーサクセスの大きな労力を正当化できないかもしれません。モデル上のインパクトが大きければ、それを優先する理由はぐっと強くなります。
Business is a lot about priorities. Many things could have an impact, but you want to focus first on what will have the biggest impact.
より細かいシナリオを検討するときは、Nadim は顧客セグメント、コホートのパフォーマンス、ネット MRR チャーンを ChartMogul からエクスポートし、Excel と Claude で前提を調整します。そうすれば、同じ改善を顧客基盤全体に一律に当てはめるのではなく、特定のグループの中での変化をモデル化できます。
リテンションを運用に落とす
同じリテンションデータは、カスタマーサクセスの成果管理にも使われています。
Modash は大口の顧客をカスタマーサクセスマネージャー個人に割り当て、それぞれのアカウントにポートフォリオを示すタグを ChartMogul で付けています。これによってポートフォリオごとのリテンションを追跡し、その成果をもとにボーナスを算出できます。
If you select a portfolio, you can see all of the customers that person has. We follow retention on the portfolio and calculate their commission.
Modash には専用のカスタマーサクセスプラットフォームもありますが、報酬の計算は ChartMogul から行っています。サブスクリプションとリテンションのデータがより新しいからです。したがって各マネージャーのボーナスの一部は、担当顧客の継続収益の拡張に直接ひもづいています。
ChartMogul へのアクセスは全社に開かれています。もっとも多く使うのは財務と経営陣で、カスタマーサクセスはポートフォリオの管理に使います。エンジニアは毎日開くわけではありませんが、それでもプロダクトの定着がリテンションと拡張にどうつながるのかを見ることができます。
Engineering is not using it on a daily basis, but they still have access because we want them to understand the impact they have on the business.
Nadim にとって自信の源は、ダッシュボードがもう 1 つ増えることではありません。チャーンの変化を顧客セグメントまでたどり、その背後にあるプロダクト上の行動を特定し、その行動を変えることが労力に見合う財務インパクトを生むのかを見積もれること。そこから自信は生まれるのです。