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Average Sale Price (ASP)

ASP(Average Sale Price)は、新規顧客が初めて有料サブスクリプションに移行したときに支払う平均額であり、その後の継続的な収益ではありません。対象期間の新規契約MRRを、同じ期間に転換した新規顧客数で割って算出します。

ASPとは

SaaSにおけるAverage Sale Price(ASP)は、新規顧客が初めて有料サブスクリプションに移行したときに支払う平均価格を指します。ASPは月ごとに大きく変動しうるため、営業チームが取引規模を伸ばせているかを測る指標として価値があり、また顧客生涯価値(LTV)が今後伸びるか落ちるかを早期に示すサインにもなります。

ASPは**ARPA(Average Revenue Per Account)**と混同しやすい指標です。ARPAは関連はしますが別の指標で、新規契約だけでなく顧客基盤全体を対象とします。

ARPAASP
測るもの今この瞬間の、顧客基盤全体の平均収益新規顧客が初めて契約した時点で支払う平均価格
既存顧客を含むか含む。アップグレード、ダウングレード、更新も対象含まない。初回購入のみ
向いている用途価格戦略、収益の質の把握、予測営業チームの成果測定、案件規模のトレンド把握

ASPの計算方法

ASPは、新規顧客が初めて有料サブスクリプションに移行したその時点で支払う平均価格です。その後のアカウントの拡大や縮小は対象外とします。

ASPを計算するには、対象期間のNew Business MRRの合計を、同じ期間に初めて契約した顧客数で割ります。

ASP=New business MRR in period# new customers in same period \text{ASP} = \frac{ \text{\textcolor{#007ac4}{New business MRR} in period} }{ \text{\textcolor{#007ac4}{# new customers} in same period} }

言い換えると:ASPは、対象期間の新規契約MRRを、同じ期間に転換した新規顧客数で割ったものです。

5月に新規顧客を10社獲得したとします。

  • 3社がGoldプランを100ドルで購入
  • 7社がSilverプランを50ドルで購入

新規顧客からの売上合計は650ドル。これを同じ期間の新規顧客数10で割ります。Average Sale Priceは65ドルです。

ASPをトラッキングする

ASPのトラッキングは、営業パフォーマンス、価格設定の有効性、顧客行動を理解するうえで欠かせません。ASP単体でも大枠を示す指標になりますが、次のような切り口でセグメント化すると価値が高まります。

  • サブスクリプションプラン(価格帯ごとのASPを比較するなど)
  • 地域(北米とヨーロッパのASPの差など)
  • 販売チャネル(セルフサーブとセールス主導のサインアップのASPなど)
  • 顧客セグメント(スタートアップ、ミッドマーケット、エンタープライズなど)

規模の大きいSaaS企業では、営業チームやアカウントマネージャー単位でASPをセグメント化することで、パフォーマンスの差が見え、営業戦略と価格戦略の最適化にもつながります。

営業ファネル別にASPをセグメント化する

下のチャートは、セルフサーブファネル(シアン)とセールス主導ファネル(黒)という2つの営業ファネルについて、ASPの推移を示したものです。

セールス主導ファネルとセルフサーブファネルでセグメント化したChartMogulのASPチャート

この例では、期間全体を通じてセールス主導ファネルのASPがセルフサーブファネルを大きく上回っています。初回購入に営業担当が関与した場合、顧客が自力で購入した場合よりも平均販売価格が明確に高くなる傾向があります。

地域別にASPをセグメント化する

ChartMogulなら、営業リージョンを定義してASPを地域間で比較できます。

ChartMogulのヒートマップでASPを分析し、傾向を見つける

地域ごとのASPを把握しておくと、チームに対して妥当な、現実的な営業目標を設定できます。

EMEAと米国のリージョンでセグメント化したChartMogulのASPチャート

過去の傾向として北米のASPがEMEAより高いのであれば、営業目標にもそれを反映させるべきです。

Average Sale Priceはなぜ重要なのか

Average Sale Priceは、新規サブスクライバーの平均取引規模を引き上げる取り組みを測るのに役立ちます。顧客生涯価値(LTV)が将来的に上がるか下がるかを早期に示してくれます。

Sara Archer
Sara Archer, VP of Sales, ChartMogul Everyone wants to close big deals, and it's admirable to want to have a higher ASP. However, set your eye on the right prize: faster MRR/ARR growth. Don't overindex for going upmarket too much; rather, I suggest to ensure you are increasing your ASP at the right clip. You want high value customers that you can retain with just-right pricing. If your ASP is declining with good-fit customers it could signal something major going on in the competitive landscape or with negotiations.

ASPは、事業の他のいくつかの領域を評価するうえでも役立ちます。

営業チームのパフォーマンスを評価する

ASPの上昇は営業活動がより高単価の契約を生んでいることを示し、低下は価格へのプレッシャーや交渉のまずさを示唆する可能性があります。

価格戦略の有効性を測る

価格変更をテストしているとき、ASPは顧客がより高単価のプランへ転換しているのか、逆に下位プランへ流れているのかを示してくれます。

将来の収益と成長を予測する

ASPは顧客生涯価値(LTV)が上がるか下がるかを早期に示す指標です。ASPが高いほど、新規顧客1社が獲得コストの多くを前もって賄うことになるため、CACペイバック期間も短くなります。

広告・マーケティング費用を最適化する

地域や顧客タイプごとのASPをセグメント化すれば、広告予算をより価値の高い見込み客に振り向けられます。

競合とベンチマークする

自社のASPを業界平均と比べることで、競合に対して価格が高すぎるのか安すぎるのかが見えてきます。

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ASPが低すぎるのはどんなときか

ASPは、収益性を保ちながら成長する力を損ない始めたときに「低すぎる」と判断されます。主な警告サインは次の3つです。

  1. CACが収益を上回る。 ASPが低いと回収期間が長くなり、獲得コストに追いつくためだけに、規模を追って顧客を獲得しなければならない圧力が強まります。
  2. 顧客が常に下位プランを選ぶ。 これは、価格設定が上位プランの価値をうまく伝えられていないサインであり、収益とLTVの上限を狭めてしまいます。
  3. 顧客は増えているのに収益成長が止まる。 ユーザーは獲得できているものの、支払額が小さすぎて収益を動かせていない状態です。

低いASPを改善する方法

  • 価格帯を見直し、高い価格ポイントに見合う価値を明確にする。
  • 機能のバンドルを導入し、上位プランを選びやすくする。
  • アップセルとクロスセルで顧客あたりの収益を伸ばす。
  • より多く支払う意思のある、価値の高い顧客セグメントを狙う。

ASPに関するよくある質問

Average Sale PriceとAverage Selling Priceの違いは何ですか?

どちらもASPと略され、計算方法も同じ(総収益 ÷ 販売単位数または取引数)ですが、使われる文脈が異なります。

Average Sale PriceAverage Selling Price
よく使われる分野SaaS、不動産、複雑なB2B取引小売、製造、単価ベースの価格設定
測るもの新規サブスクリプション契約の平均価値販売した単位あたりの平均価格

Average Sale Price(ASP)が高いことは何を示しますか?

SaaS企業においてASPが高い場合、一般にエンタープライズ契約、プレミアム価格帯、あるいは効果的なアップセル・バンドル戦略を通じて、より大きく高額な取引を獲得していることを示します。

ASPはARPA(Average Revenue Per Account)とどう違いますか?

ASPは新規顧客の初回購入のみを対象とします。ARPAは既存顧客からの継続収益を含み、更新や拡大も対象になります。詳細は上の比較表をご覧ください。

ASPは高すぎることもありますか?

ASPが非常に高い場合、多くの潜在顧客にとって価格が高すぎて獲得の妨げになっている可能性があります。また、エンタープライズ案件に依存しすぎて営業サイクルが長期化し、収益が読みにくくなることもあります。