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カスタマーリテンション率(ロゴリテンション)

カスタマーリテンションとは

リテンションは、既存顧客基盤からの収益をどれだけ維持し拡大できるかを測る指標です。SaaSビジネスでは3通りの方法で測定できます。カスタマーリテンション(ロゴリテンション)、Net Revenue Retention(NRR)Gross Revenue Retention(GRR)です。SaaSではNDRとGDRという略称もよく使われます(net dollar retentionとgross dollar retention)。

カスタマーリテンション率は、一定期間に維持できた顧客の割合を測ります。

カスタマーリテンション率の計算式

カスタマーリテンション率を計算するには、1年前に有料だった顧客のうち残っている有料顧客数を、1年前の有料顧客数で割ります。

Customer retention=# of paying customers left from one year ago# of paying customers one year ago \text{Customer retention} = \frac{\text{# of \textcolor{#007ac4}{paying customers left} from one year ago}}{\text{# of \textcolor{#007ac4}{paying customers} one year ago}}

例で見てみましょう。

1年前、有料顧客が400社ありました。そのうち何%が今も残っているでしょうか。

当初のグループのうち300社を維持できた(この1年で100社が解約した)としましょう。

つまりカスタマーリテンション率は300を400で割って算出します。カスタマーリテンション率は75%です。

年間契約でも月間契約でも(あるいはその両方でも)、リテンションは12か月で測るのが一般的です。なぜでしょうか。顧客ライフサイクル全体を織り込めるうえ、短期的な変動を生む季節性の影響を受けるリスクを下げられるからです。

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カスタマーリテンションはなぜ重要なのか

クラス最高のリテンションを持つ企業は、同業他社より少なくとも1.8倍速く成長しました。先の読みにくい市場では、カスタマーリテンションが鍵になります。今年リテンション指標を注視しているなら、それはあなただけではありません。

リテンションは、成功するSaaSビジネスを築くうえで最も重要な指標のひとつです。チャーン率が低いということはロイヤルティの高い顧客が多いということであり、持続的な事業成長につながります。カスタマーリテンションを高める効果的な施策を実行すれば、顧客ロイヤルティと長期的な成功を大きく押し上げられます。結局のところ、新規顧客の獲得は既存顧客の維持よりはるかにコストがかかりうるのです。

カスタマーリテンションが重要な理由は数多くあります。ここでは上位3つを挙げます。

リテンション率85%超の企業は1.5〜3倍速く成長する

2,100社超を対象とした調査で分かったのは、リテンション率が85%を超えるSaaS企業はずっと速く成長するということです。実に1.5〜3倍という驚くべき差です。新規獲得だけに頼って持続的な成長を実現することはできません。顧客を維持することも同じくらい重要です。

高いリテンションはプロダクトマーケットフィットの強いサイン

顧客ロイヤルティは、実在する課題を解決し、顧客に価値を提供できていることの証明です。急速なスケールに向けた施策を打つ準備はできていますか。まずは顧客を獲得でき、なおかつ維持できることを示す必要があります。

継続顧客はプロダクトを推薦してくれやすい

時間をかけて、顧客を自社ソリューションの真の擁護者に変えていけます。プロダクトでの良い体験は、顧客が自社のマーケティング戦略の一部としてあなたのブランドを使ってくれる(しかも無償で)可能性を高めます。

Daria Danilina
Daria Danilina, Co-founder at Salesroom Not every dollar is created equal, especially in the venture world. A retained dollar is worth a lot more than a newly acquired dollar that has yet to renew.

良いカスタマーリテンション率とは

この問いに自信をもって答えるため、2,100社を超える企業を調査しました。ARRの視点からカスタマーリテンションを見てみましょう。

カスタマーリテンションは事業の初期段階では低くなります。企業が成長しプロダクトマーケットフィットを見つけるにつれて改善していきます。

ARR 300万〜800万ドルのレンジにある企業は、上位四分位のカスタマーリテンション率が80.4%です。スケール段階(ARR 1,500万〜3,000万ドル)に達すると、上位四分位はさらに84.2%まで改善します。

クラス最高のSaaS企業はカスタマーリテンション率87%

事業のどの段階であっても、クラス最高のカスタマーリテンション率は約85〜87%です。

興味深い事実として、カスタマーリテンションが85%を超えるSaaS企業は11〜19%にすぎません。多くの企業と同じようにリテンション改善の途上にあるなら、リテンションのトラッキングのコツと、カスタマーリテンションを高める施策をお読みください。

カスタマーリテンションを見る切り口のひとつがARRです。とはいえ、近いARPAレンジの他社と比べることも同じくらい価値があります。2,100社を超える企業を調査したSaaS Retention Reportで全データをご確認ください

カスタマーリテンションをトラッキングするコツ

リテンション指標にコホート分析を重ねる

コホート分析を使うと、特定の顧客グループの傾向を見つけられます。コホート分析は、カスタマーチャーンやレベニューチャーン、そしてその裏返しであるカスタマーリテンションやレベニューリテンションの傾向を明らかにするのに広く使われます。

SaaSにおけるコホートとは、同じ年月に初回のサブスクリプションを開始した顧客のグループです。

下の例では、2022年4月以降に維持できた顧客の割合が見られます。この事業が3か月目の顧客維持でつまずいていることが明確にわかります。何が起きたのでしょうか。データを掘り下げて理解し、チャーンを防ぎましょう。

ChartMogulアプリ内の、維持できた顧客の割合を示すコホート分析

リテンションデータをプラン、地域、獲得チャネルでセグメント化する

データを切り分けて事業の示唆を得る方法は、実に数多くあります。

たとえば、有料サブスクリプションを開始して数か月の新規顧客の健全性を評価し、新規顧客が離脱するタイミングを特定できます。

あるいはカスタマーサクセスチームがこのデータをセグメント化し、割引プランの顧客がチャーンしやすいかどうかを見極めることもできます。

一方でマーケティング責任者なら、獲得チャネルごとにリテンションデータを比較するでしょう。どのチャネルが定着する顧客を連れてきているのか、という視点です。

カスタマーリテンションの4つの施策

カスタマーリテンションの施策とは、SaaS企業が既存顧客との関係を維持・強化し、ロイヤルティを保ってブランドとの関わりを続けてもらうために用いる方法です。今日から適用できる4つの施策を紹介します。

摩擦のないオンボーディングから始める

新しい顧客とどう関わるかが、その顧客が長期にわたってプロダクトと会社をどう体験するかを決めます。最初から良い印象を残しましょう。カスタマーリテンションを高め、顧客ロイヤルティを築き始めたいなら、オンボーディング体験から着手すべきです。

プロダクトツアー、プロダクトトレーニング、ライブウェビナーは、新規顧客が十分な準備を整えてスタートし、プロダクトを最大限活用するための絶好の機会です。営業、マーケティング、カスタマーサクセスの各チームが揃って協力し、顧客にとって素晴らしい体験を実現できているか確認しましょう。

顧客満足度を追う

顧客満足度は、プロダクトがユーザーのニーズと期待にどれだけ応えられているかを測ります。SaaSでは安定した収益の流れを保つことが決定的に重要で、それは満足している顧客基盤があって初めて可能になります。顧客満足度を高めるとは、カスタマーエクスペリエンスを高めることです。

顧客満足度を追う手法はいくつかあります。アンケート、顧客からのフィードバック、サポートでのやり取りなどです。アンケートは、顧客がプロダクトやサービスにどれだけ満足しているかについて貴重な示唆を与えてくれます。フィードバックは、顧客のニーズと期待をより深く理解する助けになります。Net Promoter Scoreのようなアンケート、フォーカスグループ、SNS、サポートでのやり取りなどからフィードバックを集められます。

フィードバックループを回す

顧客の満足度はもう把握できていますか。良質なフィードバックも集まりましたか。であれば、フィードバックループを必ず回してください。フィードバックループとは、顧客の声を集め、分析し、カスタマーエクスペリエンス改善のために行動に移すプロセスです。「行動に移す」部分を飛ばさないようにしましょう。

プロのコツ:結果を関係チーム、あるいは全社に共有しましょう。

正しい顧客を維持する

ICPに合致する顧客を維持しましょう。正しい顧客を獲得し維持することには大きな価値があります。

ChartMogulは新しい価格モデルへの移行で多くの既存顧客を失いましたが、関与度の高い「フィットの良い」顧客のおかげで成長を続けられました。この価格移行の全容を、VP of Customer Successのイングマーが語っています。

ICPを描き出すことは、チームをまたいで役立ちます。マーケティングチームは適切な層に向けて発信できるようになります。営業チームは価値の高い見込み客に集中できます。カスタマーサクセスチームは既存顧客をずっとうまく支援できます。結局のところ、カスタマーリテンションは正しいタイプの新規顧客を獲得することから始まるのです。

2,100社を超えるSaaS企業の調査から得たリテンションの示唆。

レポートを読む

カスタマーリテンションに関するよくある質問

良いカスタマーリテンション率とはどの程度ですか?

SaaSビジネスを立ち上げる旅の初期は、カスタマーリテンションは低くなります。事業が100万ドルに達すると78%程度まで上がることもあります。事業のどの段階であっても、クラス最高のカスタマーリテンション率は約85〜87%です。リテンションは、顧客の期待に応えることで既存顧客基盤からの収益をどれだけ維持し拡大できるかを測ります。

ロゴチャーンとは何ですか?

簡単に言えば、ロゴチャーンは顧客がSaaSビジネスから離れていく速さを測る指標です。一定期間に失った顧客数を測ります。収益の集中度によって、カスタマーチャーンはレベニューチャーンと異なることがあります。そのため両方の数字を見るのが望ましいです。

リテンションと更新の違いは何ですか?

更新は、既存顧客のうち能動的に契約更新を選んだ数を指します。カスタマーリテンションは、解約できる機会があったにもかかわらず、サブスクリプションを解約せず維持することを意図的に選んだ顧客に関するものです。

ロゴリテンションは100%を超えられますか?

カスタマーリテンション率が100%を超えることはありません(グロスダラーリテンションも同様です)。100%を超えられるのはネットレベニューリテンションだけです。

ロゴリテンションとネットリテンションの違いは何ですか?

ロゴリテンション(カスタマーリテンション)は、一定期間に維持できた顧客の割合を測ります。多くの場合、収益ベースでリテンションを測るほうがより意味のある結果になります。グロスレベニューリテンション(GRR)とネットレベニューリテンション(NRR)は、自社のSaaSビジネスが顧客への約束をどれだけ果たせているかを理解するための中心的な指標です。

良いカスタマーチャーン率とはどの程度ですか?

理想的には、カスタマーチャーン率はできるだけ低いことです。たとえば月5%という一見低い数字でも、年間では既存顧客のほぼ半分(46%)を失うことに相当します。SaaS企業のデータ分析では、顧客あたり平均収益(ARPA)が低いほどチャーン率は高くなります。ARPAが10ドル未満のSaaSビジネスでは月6〜7%と比較的高くなりえます。ARPAが500ドル以上の企業では月1〜2%と低めになる傾向があります。詳しくは当社のカスタマーリテンション戦略をご覧ください。

カスタマーリテンションとは何ですか?

カスタマーリテンションとは、企業が既存顧客を時間をかけて維持していく力を指します。収益、顧客ロイヤルティ、全体の成長に直接影響するため、あらゆる事業戦略の要となる要素です。顧客を維持することは、顧客獲得コストを下げ、顧客生涯価値を高め、ブランドの評判を良くするうえで重要です。リテンションに注力することは、ロイヤルティと満足度を育てることを通じて、事業の長期的な成功に投資することと同じです。