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Monthly Recurring Revenue (MRR)

MRRとは

Monthly Recurring Revenue(MRR)は、正規化(月次按分)したサブスクリプション収益を測る指標です。SaaSは予測可能な月次経常サブスクリプション収益を着実に伸ばしていくビジネスであり、その意味でMRRは最も重要なSaaS指標といえます。

MRRをトラッキングして分析することは、事業を理解し成長させるうえで欠かせません。これまでの実績が見えるだけでなく、翌月・翌四半期・翌年の見通しも立てられます。

MRR=Amount paid for subscription item# months in the plan interval \text{MRR} = \frac{\text{\textcolor{#007ac4}{Amount paid for subscription item}}}{\text{\textcolor{#007ac4}{# months in the plan interval}}}

月次経常収益(MRR)の計算方法

MRRを計算するには、顧客が月次・サブスクリプションで支払う収益をすべて合計します。

顧客が長期分をまとめて支払う場合(たとえば1年分)は、その支払額を期間数(この例では12)で割り、MRRに加算します。

例で見てみましょう。

顧客が5社います。

  • 顧客Aは月10ドルを支払っています。
  • 顧客Bも月10ドルですが、加えて一度だけ100ドルの初期設定費用を支払いました。
  • 顧客Cは1月に1年分として60ドルを支払いました。
  • 顧客Dは解約の恐れがあったため20%の割引を提示し、現在は月8ドルです。
  • 最後に顧客Eは最近Premiumプランに移行し、現在は月15ドルです。

この例のMRRは(10 + 10 +(60/12)+ 8 + 15)= 48ドルです。

MRRには収益の経常部分のみを含めるべきです。一度きりの請求や手数料はいずれも計算から除外します。

MRRムーブメント:新規契約、拡大、縮小、チャーン、再開

MRRムーブメント:新規契約、拡大、縮小、チャーン、再開

MRRを構成要素に分解すると、事業の収益の流れ(流入と流出の両方)について有益な示唆が得られます。月次のトレンドとして見れば、前月との比較で全体のパフォーマンスを評価しやすくなります。

MRRは5つのムーブメントに分解できます。

  • New Business MRR は、その期間に加わった新しい(経常)収益です。リードが新規顧客に転換したものです。
  • Expansion MRR は既存顧客から加わった収益です。たとえば上位の価格帯にアップグレードして支払額が増えた顧客や、アドオンを購入した顧客が該当します。
  • Reactivation MRR は、以前アクティブだった顧客が有料プランに戻ってくるケースです。
  • Contraction MRR は拡大の逆で、顧客が下位プランに切り替えたり、これまで支払っていたアドオンの利用をやめたりする場合です。
  • Churned MRR は、その期間にプランを解約した人たちを指します。

New Business MRRは事業を伸ばす最も一般的な方法ですが、新規獲得にはコストがかかります。MRRを伸ばすなら、既存顧客や過去の顧客からの収益を増やすことを試してください。ダウングレードやチャーンに苦しんでいるなら、Contraction MRRとChurn MRRの数字の改善に集中しましょう。事業の成否を分けるのはこうした戦略的判断です。

B2B SaaSにおける良いMRR成長率とは

ChartMogul Subscription Analyticsをご利用中なら、自社の指標をBenchmarksに重ねて、同業他社とパフォーマンスを比較できます。ARRやARPAのレンジで掘り下げれば、さらに文脈が加わります。強みがどこにあるのか、時間とともに改善しているのか、成長の余地はどこかをチームで見極められます。

ChartMogulのBenchmarksは、2,500社を超えるSaaS企業の匿名化・集計データを用いて業界の成長率を算出しています。

過去2年間、私たちはこのデータから得た知見をSaaS Retention ReportSaaS Growth ReportSaaS Benchmarks Reportで公開してきました。

MRRはなぜ重要なのか

サブスクリプション収益は強力です。時間とともに積み上がり、複利のように効いていきます。

月次経常収益を測ることが重要なのは、収益の改善とチャーンの削減を狙って、優先すべき領域や調整が必要な領域をデータから特定できるからです。

自社のサービスと顧客基盤についても、より深く知ることができます。その知見をもとに変更を加えれば、プロダクトはさらに磨かれ、ターゲット層への適合度も高まります。

SaaSモデルが収益面で強いのは、収益が積み上がり複利のように効いていくからです。それはスタートアップや投資家だけでなく、購入者にとっても魅力的です。サブスクリプションは低コスト・低コミットメントで、囲い込みもなく、必要なときに解約できます。とはいえ、顧客がプランを変更したり解約したりする際に失われる、あるいは強まる経常収益を把握しておくことが、今後の財務をより正確に見通す助けになります。

Joel Gascoigne
Joel Gascoigne, CEO at Buffer I'm always looking at MRR. At the end of the day, that's our revenue and drives a lot of other strategic decisions such as hiring and other spend.

MRRで収益を伸ばす

セグメンテーションで新しい機会を開く

もう一段掘り下げてデータをセグメント化し、「業種別のMRRはどうなっているか」「SMBとエンタープライズでチャーン率はどう違うか」「事業リージョン別のARPAはいくらか」といった問いに答えましょう。

MRRは単なる指標ではなく、事業を変えうる答えを得るための入口です。それを実現するのが、データに対する複雑でセグメント化された分析です。

示唆をセグメント化すると顧客理解に近づき、それが事業判断を前に進めます。何が効いていて何が効いていないかがわかるので、暗闇で手探りする感覚もなくなります。

ライフタイムバリュー、利用パターン、行動から価値の高い顧客セグメントを特定できれば、マーケティングの重点を組み替えてMRRを最大化できます。

MRRムーブメントから新しい成長レバーを見つける

アクティブな各サブスクリプションで起きる変化は、ムーブメントとして分類されます。全体のデータをこれらのサブカテゴリーに絞り込むと、どこをさらに磨くべきか、どこから成長をつくるかがはるかに判断しやすくなります。

New Business MRRは事業を伸ばす最も一般的な方法の一つですが、リード獲得にはコストがかかります。そこでExpansion MRRやReactivation MRRに注力し、既存顧客や過去の顧客からの収益を増やすという手が有効です。

Expansion MRRを深掘りすれば、どのアドオンが人気か、どのアップグレードが選ばれているかが見えてきます。それがわかれば、広告とマーケティングをそれに合わせて調整できます。

Churned MRRのムーブメントを見れば、顧客がいつ離脱していくのかを把握できます。そこでコミュニケーションを強め、避けがたい結末の前に関心をつなぎとめ、再び関与を促せます。

ChartMogulのSaaS Growth Reportのデータを見ると、ARR 100万ドルを超えた後に獲得する収益の3分の1は拡大によるものだとわかりました。またクラス最高のリテンションを持つ企業は、同業他社より少なくとも2.3倍速く成長していることも明らかになりました。

プロダクトを最適化する

MRRデータを分析する際、価格帯やプランといった自社の提供内容ごとのパフォーマンスに目を向けると、どの領域が最も収益を生んでいるかが特定できます。

サブスクリプションの階層ごとの提供内容や価格を試している段階なら、MRRの増加と、顧客の獲得・維持との最適なバランス点を見つけられます。月次経常収益を増やす最も手軽な方法の一つですが、判断を支えるデータは必ず必要です。

顧客の行動を理解する

MRRを増やすには、顧客が離れていく理由を知る必要があります。それがわかれば、成長を改善するための根拠ある行動が取れます。

このデータがあれば、少しずつ失っている経常収益が見え、チャーンを止めるための変更を打てます。こうした示唆は、Intercom、ChartMogul、Zapierを組み合わせて得られます。

この3つがあれば、関連するSaaS指標をひと目で確認できます。最終ログインが10日以上60日未満のユーザーを把握できますし、通算のWebセッション数は多いのに最近ほとんどログインしていないユーザーを見ることもできます。

MRRのどれだけが手からこぼれているのかを確認し、同時に手を打つ機会を得るために、価値ある示唆の得方をこちらでご覧ください。

収益データを強化する

SaaSでの成功は、成長にかかるコストと深く関係します。効率よく成長するとは、獲得コストと顧客生涯価値(LTV)のバランスを取り、健全なアカウント拡大を促すことです。レベニューインテリジェンスは、サブスクリプション指標を他のレコードにある顧客データや事業データで補強することから生まれます。

New Business MRRをマーケティングチャネル別にセグメント化し、マーケティング予算の最適化に役立てましょう。

たとえば新規顧客数にカスタム属性を作れば、その人たちがどこから来ているのか、どのリードが最も効いているのかがわかります。さらに細かく、キャンペーン別、検索エンジン別などで何人生まれたのかも見られます。

広告費は、とくに複数プラットフォームで運用していると高額になりがちです。だからこそ本当に効いているかを確認することが不可欠です。カスタム属性を追加すれば、オーガニック検索がGoogle広告キャンペーン(あるいは他の手段)と比べて顧客と収益にどれだけ寄与しているかが見えます。それがわかれば、成果の出ていない高コストの施策を止めるようマーケティングを調整できます。

MRRに関するよくある質問

MRRとARRの違いは何ですか?

MRRはMonthly Recurring Revenue(月次経常収益)の略です。ARRはAnnual Run Rateの略です。これは単なる用語の違いではありません。ARRは前を向いた指標で、今日のMRRをもとに今後12か月の収益を投影します。式にすればARR = 12 × MRRというシンプルなものです。

割引はMRRに影響しますか?

割引をMRRの計算に反映すべきかについては、多少の混乱と議論があります。一度きりの割引や、特定の期間だけ(たとえば3か月や1年)適用される割引は、経常的ではないためMRRに影響させるべきではないという意見もあります。一方、生涯割引は扱いが異なります。顧客の全ライフタイムにわたってMRRに影響するからです。月500ドルのプランで契約したのに、取引期間中は月100ドルしか支払わない顧客のMRRを500ドルとして数えるのは、実態を誤らせます。

同じ論理は、期間限定の割引(たとえば3か月)を適用し、顧客が2か月後に解約した場合にも当てはまります。その顧客は満額を一度も支払っていないのに、なぜ満額でMRRを計算するのでしょうか。

私たちは一貫性を強く重視します。MRRの計算には、事業が実際に生み出している真の経常収益を含めるべきです。顧客が最初の3か月は月100ドル、その後は月500ドルを支払うのであれば、その数字がMRRに入るべきです。

Committed MRR(CMRR)は、こうした今後のMRR修正を見通すうえでとりわけ有用な指標です。

個別のエンタープライズ契約はMRRに含めますか?

他の顧客と同じルールが適用されます。サブスクリプションの支払額は、それがカバーする期間(通常12か月)で按分し、MRRに加算します。

コンサルティング費用や初期設定費用(個別契約でははるかに多く発生します)はMRRの計算から除外します。

個別契約はMRRに含めるべきです。含めなければ、自社の状況を完全には把握できません。

MRRにはどんな種類がありますか?

MRRには5種類あり、顧客がサブスクリプションについて下す判断によって変化します。5種類とは、New Business MRR、Expansion MRR、Reactivation MRR、Contraction MRR、Churned MRRです。

それぞれが合計にプラスまたはマイナスの影響を与え、顧客の行動を何が動かしているのかを理解する手がかりになります。